マイクロソフトゲーミングは先日NetEaseとの提携を発表しました。これは中国国内でのブリザードエンターテインメントのゲームタイトルの提供、そしてXboxコンソールでのNetEaseタイトルの提供の検討などが含まれています。
マイクロソフトゲーミングにとってこれが何を意味するのか、少し考えてみましょう。
NetEaseとブリザードのパートナーシップと契約満了、そして再開
2008年、Blizzard Entertainmentは中国の巨大テック企業NetEaseと契約を結び、Blizzardのゲームタイトルを中国の地域で独占的に提供するパートナーシップを結びました。これにより「World of Warcraft」「StarCraft ll」、「OverWatch」といったゲームを14年間にわたって提供してきましたが、2022年にライセンス契約満了を伴い、同社はNetEaseとのパートナーシップが終了しました。これはMMORPG「World of Warcraft」などに10年以上にわたって投資してきたプレイヤーがアクセスを失うことも意味してきました。
その後両者は交渉を行いましたが、結果的にNetEaseとブリザードが再び契約を結ぶことはありませんでした。
2023年10月にマイクロソフトはアクティビジョンブリザードを700億ドル以上で買収する契約を締結し、その後再びNetEaseとXboxおよびBlizzardが提携することが発表されました。
契約でもたらされる変化
中国でのBlizzard Entertainmentタイトルの提供再開
1つは中国国内でのBlizzard Entertainmentタイトルの再提供です。これにより「Overwatch 2」「Diablo 4」「World of Warcraft」のような人気タイトルを再び中国国内で提供することが可能になります。
中国で提供されるということは、Xboxにとって大きな収益を得る機会があるということになります。ブリザードエンターテインメントのゲームタイトルは中国でも高い人気があり、今回の復活は中国のファンにとっても大きなメリットとなります。
NetEaseゲームのコンソールへの提供の模索
発表の中ではマイクロソフトゲーミングとNetEaseが提携し、Xbox向けのゲームの提供も検討されていることが明らかになりました。
現在PlayStationでは中国のMihoyoが手がける「スターレイル」「原神」などのタイトルが人気を博していますが、Xboxではこれらのゲームは提供されていません。今回中国のNetEaseがXboxと提携したことで、NetEaseの人気作がXboxに登場することが期待出来るようになりました。
Neteaseは「荒野行動」「第五人格」「ライフアフター」などのゲームがあり、中国のゲームを好むユーザーにリーチ出来る可能性があります。
ラインナップ強化に期待
Xboxは近年日本のゲームも少しずつ提供を拡大していますが、PlayStationやNintendo Switchなどの競合ハードに比べるとまだまだアジアで開発されたゲームが少ないと言われています。こういったパートナーシップを結ぶことでXbox、そしてゲームパスの強化が期待されます。
一方でマイクロソフトは自社のファーストパーティスタジオを含めてゲームソフトの独占についてはあまり行わない方針であり、今回のパートナーシップで開発されたタイトルについてもXbox/PC独占にならない可能性があります。
現時点ではまだ詳細は不明な部分も多いこのパートナーシップですが今後も注目したいところです。
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