ObsidianがXboxに買収された理由はフィルが信用できるから。

マイクロソフトは10年ほど前まで多くのスタジオを閉鎖していましたが、ここ数年で大量の買収を行い、信じられないほど大きくなりました。多くのファンを持つRPGを手がけるObsidian Entertainmentもその1つです。そんなObsidian Entertainmentのスタジオ代表がスタジオの売却を決めた理由について説明しています。

ゲームを売ろうとしたらスタジオごと売らないかと提案された

XboxチームがUndead Labs、Playground Games、Ninja Theory、Compulsion Gamesを買収、The Initiativeを設立するなどの動きを行い、発表の準備を進めていた頃にObsidian Entertainmentの代表Feargus Urquhartは全くこのニュースに気づいていませんでした。

Obsidian Entertainmentの今後の大作タイトル『Avowed』を買って貰うためにXboxビジネスシニアディレクターNoah MuslerとミーティングでAvowedをできるだけ魅力的に見せるように集中していました。するとXboxのMusler氏はより多くのXbox関係者がいるところでもう一度説明を聞かせて欲しいと提案しました。

その週の半ばになると、Urquhart氏に電話があり、Obsidian Entertainmentの全株式の売却に合意したとのこと。

金銭的には問題がなかったスタジオ

Obsidian Entertainmentは多くのヒット作を生み出したブラックアイルスタジオの残骸から生まれたゲームスタジオです。親会社のインタープレイが財政難になったため、2003年に閉鎖され、その後Obsidian Entertainmentが設立されました。

『Pillars of Eternity』『Neverwinter Nights』『フォールアウトニューベガス』『スターウォーズ：ナイトオブザオールドリパブリック2』などの大ヒット作と長い歴史があり、Obsidian Entertainmentには金銭的な支援は特に必要なく運営できていたそうです。

フィルスペンサーが信頼できる人物だった

今回買収を納得できたポイントは2つあります。ひとつは『ありのままの姿』で買収されるということです。企業文化やクリエイティブの自由は維持され、Xboxの命令でゲームを変えられることなくゲームを作り続けることが出来るというXbox側の提案です。

これは信じられない取引に思えるかも知れません。マイクロソフトが今後10年後もその約束を守ってくれるのでしょうか。決断の決め手となったのはXboxを率いるフィルスペンサーです。

でも、フィル・スペンサーの面白いところは、彼が......よくわからないんですが、概念であるということです。フィル・スペンサーはフィル・スペンサーであり、マイクロソフトの全ゲームを運営しているわけですから、最終的に概念とは言いたくありません。というのも、彼がフィルスペンサーという人であり、Microsoftの全ゲームを運営しているからです。でも今となっては、当時から知っていたことですが、彼の評判はとにかく信頼できる人、人を騙さない人、ゲームを愛する人でした。それが信頼につながったんです。｣

新しいXbox

マイクロソフトの買収はMojang前と後で大きく変化したとのこと。XboxのMcGuaneはXbox Game StudiosとしてObsidianやDouble Fine、InXileのスタジオジェネラルマネージャーを務めているメアリー・マグゲインはによれば、以前までのマイクロソフトは買収したらその日からマイクロソフトの人間という扱いだったとのこと。しかしMojangではマイクロソフトは最小限の統合のみにとどめました。

マイクロソフト側が行ったのはIT系のテクノロジーやセキュリティポリシーといったものを合わせる程度のことで、ゲーム開発に関してマイクロソフトがスタジオに手を加えることなく、以前のままであることを務めたと説明しています。

マイクロソフトがスタジオの文化を破壊しないようにしたことが成功に繋がったのは『マインクラフト』を見ればよくわかります。この成功がマットブーティやフィルスペンサーの信頼を高めていき、現在のXbox Game Studiosのスタイルへと繋がったとのこと。