フィルスペンサー氏はインタビューでいくつかの質問に答えていますが、「レッドフォール」の批判的な声についても回答しています。Arkaneが開発した「レッドフォール」はXboxが最近発売したゲームの中でおそらく最も大きな作品であるにも関わらず、最も低い評価の作品となっています。延期すれば改善されたのではないかという声もありますがXboxを率いるフィルスペンサーはそうは思っていません。
批評家の評価を恐れてエンターテインメントビジネスをしてはならない
Xboxは「開発者の創造的な自由」方針を続けていますが、一方でもしも発売を延期していたら「レッドフォール」の評価はまるで違う物になったのではないかという意見もあります。この声に対して、フィルスペンサー氏は次のように説明しました。
レッドフォールとは関係がない話だと前置きをした上で「すべての開発者が可能な限り最高のゲームを発売したいと思っていることを私は知っています。」と延べ、その上で「(もしも低評価ゲームを発売することを恐れるのであれば)エンターテイメントビジネスやゲームビジネスに手を出すべきではない」と答えました。
ちょうど日本でも先日映画「スーパーマリオブラザーズ」の海外の批評家の評判が話題となりました。批評家に愛されず、低い評価を受けたとしても実際のユーザーが楽しめるものであれば問題がないという一つの例になったように見えます。(もちろんレッドフォールの評価とは関係はありませんが)
一方でレッドフォールが内部で想定していたレビュースコアよりもかなり低い評価となったとも説明しました。
「私たちは発売するすべてのゲームに模擬レビューを行いましたが、このゲームは私たちが思っていた場所よりも低くなっています」とMetacriticのスコアについて説明しました。また「Xboxが60点台前半のレビュースコアをリリースすることは目的としていない」と付け加えています。
Xboxがゲームを発売する、延期するを決める基準
また延期の決定については「社内の期待が答えられなかった場合」マイクロソフトは計画を見直すと強調しました。レッドフォールの品質面についての修正には取り組んでいますが、一方でゲーム自体に創造的なビジョンが達成できていないという声についても注目していると説明しています。
「クリエイティブなビジョンを持った制作はスケジュールが遅延していくものだ」と説明した上で「ゲームを3ヶ月遅らせたとしてゲームのコアクリエイティブが異なるものになったと主張するには少し”単純”すぎるかもしれません。」と説明しました。また「クラッシュ率はローンチ時点の想定範囲を超えていなかった」と付け加えています。
「ある時点で私たちは創造的なビジョンを持ち、ゲームを発売しなくてはなりません。批評家とプレイヤーが考えを教えてくれます」とゲームを発売すべき時点を決める必要を説明しました。
レッドフォールは約1年の延期が行われ発売を迎えたゲームタイトルです。少なくともゲームの修正には追加の時間が与えられており、その中で改善が行われた結果、今回発売に至ったということになります。そのことから後数ヶ月延期し、ゲーム内容に少し手を加えたとして大きくゲームの評価が変わることはないというのは説得力があるものです。
ゲーミングPCではハードウェア・ソフトウェアを含めて様々な環境があります。例えばインストールされているセキュリティソフトひとつとってもゲームのパフォーマンスに大きく悪影響を与える場合があり、それが原因でゲームに低評価をつけられることも少なくありません。
フィルスペンサー氏は今後のXboxの開発プロセスを見直す必要があると認識はしていると説明していますが、一方で自由なゲーム開発の重要性についても改めて言及しました。
Xbox Game Passでレッドフォール
Arkane Austinが手掛ける『Redfall』は、ソロプレイとCO-OPプレイの両方が楽しめるオープンワールド・ファーストパーソンシューティングです。過去には『Prey』や『Dishonored』などを開発し、数々の賞を受賞したArkane Austinは、ゲーム世界と没入型シミュレーションを綿密に作り上げることで知られています。このArkaneの精神を受け継ぐ『Redfall』では、スタジオの特徴と言えるゲームプレイを、ストーリー主導型シューティングゲームに融合させています。
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