WindowsやMicrosoft Office、Minecraftなど、様々なマイクロソフト製品で使われている「マイクロソフトアカウント」ですが、一部では「マイクロソフトアカウント断固拒否」や「Windows 11にマイクロソフトアカウントでログインしてはいけない理由」などの解説が人気があるようです。
ここではマイクロソフトアカウントが嫌われている理由と、嫌うべきではない理由をご紹介します。
なぜマイクロソフトアカウントは嫌われているのか
マイクロソフトアカウントを使わない方が良い理由とは以下のような点が挙げられているようです。
プライバシー
マイクロソフトアカウントに紐付けると様々な情報がマイクロソフトに送信されてしまうため、マイクロソフトアカウントは作らない方が良いという考え方です。パソコンは個人情報のかたまりですから、パソコンで行った操作に基づく情報がひとつの企業に送信されるのは少し不気味だと感じるかもしれませんね。
ならパソコンにマイクロソフトアカウントをは使わない方が良い・・・ということにはなりません。あなたの住所や通話、連絡、位置情報などをもっと多く集めているデバイスに、あなたはアカウントでログインしていませんか?
そうiPhoneやAndroidのスマートフォンです。AppleアカウントやGoogleアカウントも同様に利用データを集めています。(何ならGoogleアカウントの方がより多くの情報を集めているでしょう)
ですから大企業にデータを握られたくないのであれば、そもそもパソコンよりも遙かにプライバシーを握っているスマートフォンは使うべきではないという話になります。スマホはアカウントでログインしなければほとんど何も出来ませんからね。
最後はマイクロソフトが信頼できるかどうかという話になりますが、マイクロソフトは日本を含む各国の政府とも取引している”信頼性”を重視している企業です。完全に信頼すべきかどうかは最後はあなたの判断だとは思いますが、一般的な営利企業の中では信頼できる部類だとは思います。
OneDrive
マイクロソフトアカウントでログインしたWindows PCはOneDriveで自動的に同期されてしまうということがあります。実際マイクロソフトはOneDriveで同期することを推奨しています。
標準での容量が5GBしかないため、この程度であればすぐにいっぱいになってしまい、警告文が煩わしいというのもわかります。しかし簡単な設定で無効に出来るため、OneDriveの同期するファイルの種類を減らせばいいだけかと思います。
ちなみに有料版のOneDriveにログインしておくと、ランサムウェアのデータを復元するのに必要なデータをバックアップする機能が提供されるなど、PCを使う上で非常に便利なサービスを受けることも出来ますので、ヘビーユーザーなら登録はかなりオススメです。Officeも使えますしね。
暗号化
マイクロソフトアカウントでログインした場合、自動的にBitlockerと呼ばれるストレージ暗号化機能が有効になる場合があります。Bitlockerはストレージ暗号化機能であり、暗号化を行うことで、パソコンが盗まれたとしてもストレージの中身を覗くことは困難であり、無防備な状態にはならないというメリットがあります。
暗号化はとても大切な機能ですが、PCが不調になった際などにストレージの情報を開きたい場合、復元方法を知っていないと、困難な状態になってしまうというデメリットもあります。そのため、ノートPCならまだしもデスクトップPCなら盗まれることもほぼないから暗号化は不要じゃないかという主張も目にしました。
しかし実際にはほとんどのデスクトップPC、自作PCではBitlockerは自動で有効にはなりません。なぜなら”モダンスタンバイ”という機能の条件を満たさないと有効化されず、モダンスタンバイの条件はノートPCでないとほとんど満たさないからです。
またマイクロソフトアカウントでログインした際にBitlockerで暗号化された場合も、回復するのは簡単です。スマートフォンなどからマイクロソフトアカウントにログインして、Bitlockerの回復キーを確認し、PCに入力するだけでOKだからです。
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基本的にWindowsではBitlockerの暗号化情報をマイクロソフトアカウントで自動的に保存してくれるため、この機能が自動的に有効になることがあるというだけの話です。
なぜ半強制的にマイクロソフトはサービスを使わせるのか
マイクロソフトは「Windows Update」や「Windows 10・Windows 11への無料アップグレード」などを強制的ともいえるほど強引に進めているなんてことを聞いたことがあるかもしれません。こういったイメージからマイクロソフトにあまりいいイメージを持っていない人もいるかもしれません。
しかしマイクロソフトがなぜアップデートをさせたがり、アカウントを入力させたがるのでしょうか。これはもちろん、「情報を集めたいだけ」だとか「新しいサービスを使わせたいだけ」という見方もあるかもしれませんが、実際にはそうではなく具体的な理由があります。
それは既存の環境ではセキュリティ的なリスクがあるからです。コンピュータの世界では日々様々な脆弱性が見つかっており、基本的な機能の中に、パソコンの乗っ取りが行われてしまうような恐ろしい穴があることがあります。そこでWindows Updateなどのサービスを使って穴を防いでいるのです。だからWindows Updateはインターネットにつないでいる限り、できるだけ早く行っておくことが推奨されています。
「Windows 10やWindows 11へのアップグレード」も同様で、将来的にこういったセキュリティサポートが行うのが困難になるため、アップグレードして欲しいというのがあります。(Windows 11世代ではPCの動作要件が厳しくなったのもセキュリティが主な理由だと言われています)
Microsoftアカウントへのサインインも、Bitlockerを初めとしたセキュリティ機能を使うのに必要な側面もあるからでもあり、同時にWindowsと様々なサービスの相互利用を便利にすることができるという利点があります。
ではなぜマイクロソフトアカウントを使わせたくない人がいるのか
最後にマイクロソフトアカウントを使わせたくない人がなぜ存在するのかという話です。一部のWebサイトやYouTube動画ではマイクロソフトアカウントを使うことを推奨していません、むしろ少し面倒な操作をしてでもローカルアカウントを使えという内容のものがあります。
こういった人たちはなぜローカルアカウントを推奨しているのでしょうか。上記の説明の通り正しく使えばメリットがある機能ばかりなのに、一体なぜ彼らはマイクロソフトアカウントを嫌うのでしょうか。
それはパソコンの修理や講師を行う人にとって、邪魔になることが多いからです。マイクロソフトアカウントにログインし、セキュリティが強化されたパソコンは、簡単には情報を覗くことができません。つまり、修理業者の人も直す際にマイクロソフトアカウントのセキュリティを突破する必要があり、ユーザーがマイクロソフトアカウントを正しく運用していなければ、ロックの解除が困難になるからです。
講師の人も同様に、PCに不慣れな人にとってはいらないサービスや機能も多く、むしろ面倒なことになってしまうのではないかという不安から使わないほうがいいとしているものだと思われます。
つまり、「プライバシー的なリスクが・・・!」などもっともらしい説明を挙げていますが、そういったのは二の次で、彼らの仕事の邪魔になる可能性があるから使わないで欲しいというのが本音でしょう。
正しく使えば便利なマイクロソフトアカウント
マイクロソフトアカウントは正しく使えば非常に便利なアカウントです。パソコンの設定のバックアップ、OneDriveでのファイル共有、Outlookのメールサービスなど基本的な機能はもちろん、Windowsの標準ストアMicrosoft StoreやXboxゲームの利用、Microsoft Officeなどあらゆるシーンでマイクロソフトアカウントは使用することになります。
最近ではMicrosoft Copilotと呼ばれるAI機能にも使われるようになりました。
もちろん楽しい機能だけではなく、セキュリティ周りの機能などにも使用されるため、パソコンのセキュリティを高めるのにも使われます。
私自身創作物をiPadとPCで共有して作業したり、ゲームプレイのクリップをPCとゲーム機で受け渡すのにOneDriveを使用していますし、固定電話をかける必要がある場合もSkypeを使うことがあります。
正しく使えば便利なマイクロソフトアカウント、皆さんもかしこく使ってみてくださいね。
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