2023年はWindows 11にとってとても大きな年となりました。特にマイクロソフトのAI機能はPCユーザー以外にも大きく注目されましたが、一方でマイクロソフトはWindows 11の多くの機能を廃止しています。
廃止した理由は様々ですが、一般的に更新がされていない機能、使用者が少ない機能、すでに競合している最新アプリが実装されている機能などから徐々に削除され合理化が行われています。
2023年に削除された機能
Windows用コルタナ
AIアシスタントWindows Copilotがリリースされたため、Windows 10以降に搭載されていたアシスタント『コルタナ』がすぐに削除されました。すでにコルタナを操作しようとしても、非推奨と表示されてアプリケーションを使い続けることは出来ません。
コルタナは元々Windows Phone 8.1とともに発表されたもので、SiriやGoogleアシスタントといった競合の音声アシスタントに対するMicrosoftの回答でした。実際リリース当初はコルタナの方が優れた部分も多くありましたが、次第に競争に遅れをとり、2017年にWindows Phoneが廃止されるとともに実質的にアップデートが行われなくなっていました。
Wordpad
Windows 95がリリースされた1995年以来、Windowsの標準アプリで定番となっていたWordpadですが、Windows 10ではほとんど更新されておらず、Windows 11では一度もアップデートされていませんでした。
Wordpadはメモ帳に比べてリッチなテキストエディタとして機能しており、いくつかの装飾を行うことが出来ました。疎い文字や大きな文字、フォントの変更、画像の挿入といったことが行えました。
Microsoft Officeにお金を払いたくない人にはぴったりかのように思えたこの機能ですが、無料のOffice Onlineを初めすでに多くの代替機能が提供されていたこともあり、廃止が決定したようです。近い将来OSから削除される予定です。
メール＆カレンダー
カレンダー mail And Calender
Windows8、Windows 10やWindows 11で利用できたメール＆カレンダーアプリですが、新しいOutlookアプリへと移行が決定しており、2024年に終了する予定です。
メール＆カレンダーアプリは2012年にWindows 8でデビューし、Windows標準のメール＆カレンダーアプリとなっていました。しかし残念なことにマイクロソフトはこのアプリを徐々に放棄しており、新しいOutlookアプリではWebベースのアプリケーションとなっています。
Windows ヒント
Windows Tipsは新しいOSアップデートのたびに表示される新機能を学ぶ場所でした。タブレットモード、2in1の操作、タッチ操作など様々な使い方を教えてくれました。
しかしマイクロソフトはWindows Tipsアプリを次の大型アップデートで削除することを発表しました。今後ユーザーはWindowsのWebサイトで新機能を確認することになります。
また操作についてわからないときは、ヘルプアプリが用意されています。
Windows音声認識
2006年のWindows Vistaで登場したWindows音声認識ツールは今年で引退することになります。新しい『音声アクセス』機能がこれに代わることになります。
音声認識機能はWindowsのかなり古いAeroデザインを採用した数少ないアプリでしたが、音声アクセスではモダンなインターフェイスを搭載し、人間の言葉をより理解できるようになりました。
その他の機能
- ステップレコーダー - 操作を記録する機能
- Microsoft Entraアカウントのタイムライン - ユーザー活動を記録する機能
- レガシーコンソールモード - オプションとして提供予定
- TLS 1.0/1.1 - セキュリティの都合によりデフォルトで無効に
- MSDT - 診断の記録ツール、将来のアップデートで削除予定
- Microsoft Defender Aplication Guard for Office - 非推奨、Microsoft Defenderに移行へ
- コンピュータブラウザプロトコル - 非推奨に
- WindowsDAVサービス - 非推奨
- リモートメールスロット - 非推奨
- VBScript - 非推奨
- Alljoyn - 非推奨
よりよいWindowsへ
ここ数年Windowsの機能アップデートはそれほど積極的に行われないように見えることもありました。実際ほとんどの人にとってWindows 10とWindows 11でやることが大きく変わったということはないでしょう。しかしWindows Copilotを初めマイクロソフトはWindowsを大きく進化させるための積極的な開発を行っています。
その一方でWindowsの大掃除を行い、古いWindowsの機能を整理しているのは悪いことではありません。とはいえWordPadのような昔ながらの機能が削除されるのは少しさみしくはあります。
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