今回はライフイズストレンジをクリアしたので
ライフイズストレンジをレビューしてみたいと思います。
対応プラットフォーム
英語版
XboxOne/Xbox360
日本語/英語対応
WindowsPC、PS3、PS4
今回はWindows版ライフ・イズ・ストレンジを遊んだレビューとなります。
総合評価 61点/100点満点中
良かった点
・”雰囲気”、”空気感”作りに全力
・個性的でリアルな登場人物
・センスのいいサウンド
悪かった点
・終盤のシナリオ
・古くさいグラフィック
・日本語版の操作変更
※注意
このレビューは物語の核心に迫るネタバレは避けますが、
多少のネタバレは含まれます。
ご注意ください。
雰囲気が抜群に素晴らしい
このゲームは”雰囲気”が本当に凄いです。
行ける場所も小さな街のほんの一部分、
ですがその小さなエリアに小さな張り紙を読んだり、
本筋と関係のない会話を楽しむことで
次第にプレイヤーは”マックス”の目線で
物事を見ることが出来るようになってきます。
登場人物の作り込み
本作は短いストーリー、
特に主人公と親友にスポットライトを当てた作品であるにもかかわらず
登場人物が非常に多いです。
しかしどのキャラクターも”無理な個性付け”がされているわけでもなく
みんな身の回りでどこかで見たことがあるような生き方の人物ばかり。
ついつい親身になって会話をしたくなります。
ちなみに私のお気に入りのキャラクターは「デイビッド」です。
引き込まれた序盤、魅力のないラストエピソード
本作はエピソード形式で配信され、
徐々に新エピソードが公開されていくスタイルだったためか、
序盤のエピソードほどクオリティが高く、
終盤に行くにつれて物語は下り坂です。
初めは小さなことにまで気配りされており
その世界に魅了されたものですが、
終盤は何をしても何の変化もない世界であることに気づかされます。
日本語版特有の”酷い操作性”
本作では日本ではプレイステーション、Windowsで発売されました。
そのため国内のプレイステーションユーザーのために
「○ボタン決定」「×ボタンキャンセル」へと変更されています。
これはWindows版でも同様で、
WindowsでXboxコントローラを繋いで遊ぶと
「Bボタンで決定」「Aボタンキャンセル」という不思議な配置になります。
さらに酷いのがゲーム中でもこれらの操作変更は適用されるのですが、
キャラクター移動中の重要アイテムは大抵「Aボタン(×)」で選ぶのに、
メニューが表示されたら「Aボタン(×)」はキャンセルになり、
「Bボタン(○)」で決定しないと駄目なので
操作が微妙に面倒な印象でした。
ちなみにキーボード操作でも
Backspaceが決定、Enterがキャンセル、
こんな変な操作いままで有ったでしょうか…。
ただPC版でも吹替・ローカライズ版のダウンロードは
無料で行うことが出来たのでSteamユーザーとしては
ちょっと嬉しいポイントではありました。
以下ネタバレレビュー
ゲームのレビューとして言いたいことは
上に書いたのでいつも通り気になった点を
いくつか書きたいと思います。
・セリフの繋ぎが変なときがある
たとえば「この本はどんな本?」と主人公が質問する
選択肢を選び、相手が「~っていう本なんだ。 君はこんな本は好きかい?」と
答えてくれているのに対し「もういかなくちゃ」の一言でその場を去ったりします。
ゲームだから仕方ないと言われればそうなのですが、
本作は会話がメインのゲーム。
ここはしっかりとして欲しかったです。
日本語版特有かと思ったら海外でも
結構突っ込まれていたので直して欲しいですね。
・ありきたり感があるシナリオ
日本でもアニメなどで人気のタイムリープもの、
学園物を組み合わせた作品で
雰囲気こそ素晴らしいモノの
大筋はかなりありきたりです。
特にかなりのネタバレになりますが、
黒幕は主人公の尊敬する先生で
エピソード1から一番怪しい雰囲気だっただけに
終盤「やっぱりこういう話なのね」という
感想しか浮かびませんでした。
・パズル要素はちょっと…
初めは学生生活を楽しみながら
街の異変の情報を集めていくというのが
楽しかったのですが、物語の終盤では
自由な会話シーンは殆ど減り
ひたすら周りのアイテムを調べては
謎を解き進むの繰り返しに。
本作の面白いところってパズルじゃないと思うので
こういう要素は減らして欲しかったですね。
・終盤ストーリーについて
すこし上の項目と被りますが、
本作の魅力は”学生生活”の中の
非日常の謎を探すという部分でした。
物語が分かってくるにつれて
主人公の行動はだんだん制限され
特にラストエピソードでは
重要な会話しかほぼありません。
さらに悪いことに本作のテーマ”選択”は
実は大抵たいした影響がありません。
どうでもいいキャラが死ぬ、
好感度が変わるなどはありますが
終盤はこれらは全く関係ありません。
ラストは2通りのED固定なので
繰り返しプレイするほどの
価値もないかなーというのが
正直な感想でした。
各キャラクターの感想
主人公(マックス)
いつもオドオドしていて自分に自信がなさそうで
トモダチが少なそうな地味なオタク女子。
カメラオタクで写真や機材には詳しい。
彼女曰く写真家らしく被写体との距離をおいている
というのはいかにもカメラオタクらしくていい設定。
そんな彼女ですが親友クロエとの友情を大切にしたり、
超能力を持っているからかみんなを助けたがったりします。
基本的にすごくいい子なのですが
突然会話をぶった切ったりすることから
なんとなく友達にはなりたくない印象を持ってしまいました。
クロエ
主人公の元親友、現親友。
父親を亡くし、親友は去り、
新しく出来た友達も去ったことから
不良まっしぐらのパンク少女になってます。
初めは色々苦労して若いのに大変だなー
と思い純粋なクロエとマックスとの
親友ライフにわくわくしてたのですが、
あまりにも身勝手で軽率な行動の連続に
途中からはずっと「もっと大人になれよ」と
思いながらプレイしてました。
何かと主人公を厄介毎に巻き込んだり、
主人公がどんなに巻き戻っても
悲惨な目に合うということは
この子の生き方なら
何をしてもすぐ死ぬんじゃないかと思い
最後の選択では迷わず「アルカディアベイ」を守りました。
ウォーレン
科学者を志す才能溢れる青年。
主人公マックスの事が何故か大好き。
作中でもずっと連絡を取ってくるのに対し
主人公はずっとクロエと行動して
ウォーレンはまともに相手にされてません。
科学者設定もちょっとだけ生かされただけで
なんだか色々もったいない子。
ケイト
薬を撃たれてハイになりパーティで淫乱呼ばわり、
さらにその動画を拡散された後別の薬を打たれて
悲惨な写真まで取られたという子。
マックスは「はじめは明るい子だった」というけど
見かけや部屋を見る感じ元々おとなしそうな子で
ちょっとメンヘラっぽい印象を受けたものの
心を開いたところを見ると結構かわいい。
レイチェル
クロエの親友。
できすぎ君タイプの素晴らしい子らしい女の子。
物語序盤でもしレイチェルと再会できたら
などといろいろな会話があったため
てっきり会えるのかと思ってたら
衝撃的な出会いで結局画面には映らず。
序盤は一番の目的であった人物ですが
終盤は名前すら殆ど出てこなかったので
あんまり記憶に残ってません。
ジェファソン
うーん、予想通り。
真面目で憧れで才能溢れるサイコパス。
「世界的な写真家」なのに
「なぜか田舎町にすんでる」時点で怪しいと思いましたが
結局驚かされることもなく終了。
ネイサン
超お金持ちの息子で
父親の重圧に耐えきれず”
現実と夢の区別が出来ないほどの
入院レベルの障害を持った子。
”金持ち”と”現実の区別がつかない”のを
つけいられて周りに騙され
結局ジェファソンと共謀して
様々な事件を起こしてしまう人物。
最後はジェファソンに殺されるなど
ある意味一番かわいそうな人物なのですが
主人公との会話もそう多くもなく
特に印象にも残ってません。
ビクトリア
お嬢様でどこの学校にもいる
ボスタイプの女。
いじめの原因はだいたい彼女なのかと思いきや
ポジションに固執しているだけで
実は優しい一面もあったりと
まーそんな感じの子です。
この子も海外ドラマなどでは定番な
キャラ設定なのですが
弱さが強調されて描かれており
なんとなく感情移入できるキャラですね。
いじめっ子だって人なんですから。
ジョイス
クロエの母親で街のダイナーで
働いてる主婦。
クロエが不良になってからも
一人で頑張って働いており、
家の生活感からも不幸せそうな雰囲気が
ものすごく漂ってました。
頑張っている彼女の姿を見ると
もっとクロエ頑張れよ!
ジョイスに迷惑かけるな!
と思ってしまいますね。
デイビッドとジョイスには
本当に幸せになって欲しいと
強く思いました。
デイビッド
主人公の通う高校の警備員で元軍人。
さらにクロエの継父でクロエとの仲は最悪。
乱暴な抑圧的な態度と
口下手な正確でみんなに誤解されてる
凄くかわいそうな人。
ジョイスに本当に一途で
家族のことも生徒のことも
誰よりも考えているようなのに
空回りしてなにも上手くいかず
結局厄介者扱いされてしまってます。
それでもジョイスだけは
彼の本当の姿を知っている…
実のところ本作で一番好きなキャラクター。
フランク
ドラッグディーラー。
主に学生などを相手に商売してて
クロエにもお金を貸してて色々もめてた人物。
ディーラーって言うと「ブレイキングバッド」のジェシーを思い出し、
なんとなく「かわいそう」なイメージが強く
作中私は全力で守る選択をしました。
ドラッグのディーラーって聞くと
縁のない人から見れば
「怖そう、悪そう、関わりたくない」人なのですが、
結局「人生に失敗して大人になりきれない大人」なわけで、
犬大好きだったり、女子高生とつきあってたり
終盤主人公達にも優しかったり等
自分なりに精一杯生きてる感があって
応援したくなりました。
こうしたら良かったのにと思ったこと(ネタバレあり)
せっかく「選択」をメインにおいたゲームなので
ラストも選択を反映させて欲しかった。
もちろん低予算なダウンロードゲームで
マルチエンディングは難しいと思いますが、
折角「写真」という美味しい要素が本作にはあるわけで、
ラストは「いままで撮った写真」を振り返りながら
「エンディング後の写真」を選択肢に反映させた形で
流れていくと良かったのにと思いました。
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