人気YouTuberのModern Vintage Gamerは最新のビデオでXbox Series X|SのDRMの挙動が将来問題になる恐れがあるという動画を投稿し、海外のSNSで大きな注目を集めています。
オフラインで使うとDRM認証が出来ない
MVGによるとXbox Series X|Sは手間のかかるDRMが行われており、従来のゲーム機よりもオフラインで使うことが難しいとのこと。またスマートデリバリーのシステムはオフラインでは使えないため、Xbox Oneのゲームを買ってもオフラインではXbox Series X|Sバージョンをプレイすることが出来ません。また(Xbox Oneと同様に)Xbox Series X|Sがコンソールのセットアップにインターネットが必要なことも問題に挙げています。
MVG氏は将来マイクロソフトがXbox LiveやDRMサーバーを閉鎖した場合、過去のコンテンツや未使用のXboxコンソールが全く役に立たなくなる可能性があることを強調し警告しています。
- スマートデリバリーのXboxゲームはオンラインでの最適化アップデートが必須
- Xbox Series X|Sの初回設定にインターネット接続が必要
ディスクゲームの認証には複数存在する
マイクロソフトの従業員OscarK氏はResetEraのフォーラムでディスク認証の問題について以下のようにコメントしています。彼の話によると、必ずしもXbox Series X|Sゲームがオンラインでのアップデートが必須であるわけではないようです。
ディスクから各種コンテンツをインストールする際に、非常に正確な説明がある
- 初代Xbox/Xbox 360のディスクはゲームとエミュレーターをダウンロードするためのキーに過ぎないため、インストールするにはオンラインである必要がある(これはXbox Oneと同じ仕様です)- Xbox Oneのゲームディスクはインストール時に1回だけオンラインで特定の設定ファイルをダウンロードする必要があります(実際のゲームパッチとは異なります)
- スマートデリバリーゲームのディスク - Xbox Series X|Sバージョンがディスクに入っている場合はオフラインでインストールできますが、Xbox Oneのみのが収録されている場合は、スマートデリバリー部分がアップグレードパッチとして配信されます。これにより、ディスクとXbox Liveからのデータを使ったハイブリッドインストールが行われます。
- X|Sのネイティブゲームのディスクはオフラインでインストールできます。
スマートデリバリーは仕組みが違う
マイクロソフトの従業員OscarK氏はResetEraのフォーラムでスマートデリバリーの問題について以下のようにコメントしています。
スマートデリバリーのディスクは、さまざまな理由でコンテンツ内容が異なります。
- Forza Horizon 4」のようなディスクは、Xbox Series X|Sが存在する数年前にプレスされたものです。再プレスにはコストがかかりますしユーザーが再購入しなければならないので誰の役にも立ちません。
- また『FIFA 21』のように、Xbox Series X|S版が発売されたときにプレスしたものは、ディスクをプレスする時点でX|S版の準備ができていなかったから収録されていなかったのです。
- また、ディスクの容量の都合上、両方のバージョンを入れることができない場合もあります。どちらのバージョンをプレスするかは開発者次第ですが、一般的にはどちらかの主要バージョンを入れることになるのではないかと思います。
DRMはXbox Oneと同じ仕様、なぜ今更?
Xbox Oneの時代からではありますが、現在Xboxコンソールはオフライン環境で使うことは想定されていません。これはXbox Oneの発売前から論争になりましたが、一定期間ごとにネットワークにつないでゲームやコンテンツを再認証する必要があります。
ただし現在のゲームはほとんどがネットワークに紐付いており、オンラインマルチプレイ、アップデート、追加コンテンツからゲームパスのようなサービスに至るまで多くの点でネットワークが必要とします。最近のゲームでは発売日にデイワンパッチと呼ばれる修正パッチを配布することも少なくなく、ゲームをプレイする上でネットワークに繋がずにプレイすることは最新ゲームを手がけるゲーム開発者自身も想定していないかもしれません。
マイクロソフトが今後何十年も先にXbox LiveやDRM認証サーバーを停止する可能性がないわけではありませんが、一般的には特別心配すべき問題とは考えづらいと思われます。
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