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Xbox Series Xでは遅延を1msでも高速にするために様々な仕組みが用意されている。

競技性の高いゲームをプレイする人にとって常にレイテンシー(遅延)は重要な問題です。 少しの遅れがゲームに影響を及ぼすこともあります。 Wikipediaによると「レイテンシー(遅延)」とは、「潜伏時間潜時待ち時間反応時間とは、デバイスに対してデータ転送などを要求してから、その結果が返送されるまでの不顕性の高い遅延時間のこと。レイテンシーレーテンシーとも表記される。」と定義づけられています。 Xbox Series Xではどのようにこのレイテンシー(遅延)を減らすために取り組んでいるのか確認してみましょう。

 

レイテンシー(遅延)とはなにか

簡単に言えば、レイテンシーは、信号またはゲームデータのあるポイントから別のあるポイントに移動するのにかかる時間です。 この記事ではコントローラーからゲーム機へ、そしてゲーム機からテレビに信号が送られるまでの時間について説明しています。

ゲームプレイに置いてはほぼ常にms(ミリ秒)で影響し、ゲームプレイの感触や体験に大きな影響を及ぼすことになります。

 

すべてが短く

コントローラーの入力からディスプレイに実際に反映されるまでの長いパイプラインには、エンドツーエンドの入力レイテンシーに寄与する多くのコンポーネントがあります。 Xbox Series Xの場合、チームはそれらの全てを細かく調整することで、可能な限り最も早く応答し、なおかつ正確に制御できるようにしました。

 

コントローラーの取り組み

従来のアナログ入力の遅れ

コントローラーではスティックとトリガーがアナログ入力の例です。 従来入力データを必要としたタイミングに関係なく、コントローラーは入力をサンプリングし、8ms毎に結果を送信していました。 そのためアナログスティックまたはトリガーが僅かに異なる方法で素早く調整した場合でも、ゲームはこのボタンの状態変更を遅すぎるタイミングで受け取ってしまっていた可能性があります。

これは有線コントローラーとワイヤレスコントローラーの両方を使う人にとってスマートなソリューションでしたが、優れたワイヤレスバッテリー寿命と共に一貫性をもって提供されていたため完璧ではありませんでした。

ゲームの入力ループと同期していないため、コントローラーからボタンが押されても予想よりも遅れて送信されるため、時折待ち時間が発生します。

 

Xbox Series Xで変わる”動的遅延入力(DLI)

それではXbox Series Xではどうなるのでしょうか。 Xboxチームは新しいコントローラーがゲームが要求する直前に最新の入力をサンプリングして送信するソリューションを考案しました。

その結果「動的遅延入力(DLI)」と呼ばれる「ジャストインタイム」配信が行われることになります。 システムはアナログ入力とデジタル入力の両方に置いてコントローラーをゲームと正確に同期させます。 最新の更新入力は、ゲームが必要とする直前にゲーム機にデータが届きます。 その結果コントローラーの待ち時間が大幅に短縮されています。 さらにバッテリーの持ちが悪くなることもありません。

 

従来のデジタル入力の遅れ

デジタル入力についていえば、ボタンを押すと0(押してない)と1(押してる)しかないため、注意が必要です。 以前のコントローラーではアナログ入力と同じレートでデジタル入力をサンプリングしていました。 繰り返しになりますが、これは一貫性がありましたが、ボタンを押す情報はサンプリングレートと同じでしかなかったことを意味しています。

チームはアナログ入力を補完及び予測することはできるとしていますが、デジタル入力に対しては出来ないことを発見しました。 そのためデジタル入力についてはできる限り正確にデータを送受信する必要があります。

 

Xbox Series Xでのデジタル入力

Xbox Series Xではコントローラーのボタンの状態変化を常に監視及び送信しています。 ゲームは最後のチェックしてから発生したすべてのボタンの状態の変更にアクセス出来ます。 ワイヤレスはこれまで以上に優れた体験になりますが、有線においては究極のソリューションが実装されています。 デジタル情報の変化がすぐにデータ送信されるのです。 格闘ゲームで最後の攻撃が当たらなかったとしても、もうコントローラーのせいにする必要はありません。

 

無線プロトコル(Xbox Wireless)の改良

入力が無線でゲーム機に送信される方法に関してXboxチームはコントローラー用のXbox Wirelessに多くのメリットを提供することに決定しました。 Xbox Wirelessでは引き続きXbox One アクセサリーとの互換性、高帯域幅、低遅延、最大8コントローラーのサポートを行っています。その一方で音声・音声データの送受信については別のプロトコルへの切り替えも検討しています。チームはまた最適な接続と再試行の削減のために無線の設計と配置を微調整し、パフォーマンスを改善しています。

 

コントローラーの遅延への取り組みは以上です。 ゲームは以前よりも早く入力できるように、ゲーム機自体の入力スタックを完全に再設計し、ゲーム自体が激しく負担が大きい場合以前は発生する可能性があった遅延を排除しています。

 

ゲーム機での取り組み

チームはゲーム機にも多くの改良を行っています。

 

ゲームへの改良

Xboxチームはゲーム開発者がゲームエンジン側のレイテンシ改善及び最適化が行えるように既に取り組んでいます。 チームが追加した新しいメカニズムのおかげで、システムはHDMI経由で送信される全てのフレームに対応する入力情報を知ることが出来ます。

ゲーム開発者はハイスピードカメラを使うことなく、開発中のゲームタイトルのエンドツーエンドのレイテンシーを初めて簡単に測定及び調整出来るようになります。

レンダリングパイプラインと入力パイプラインを分離したため、Xbox Series Xは120fpsもサポートすることが出来、ゲームではフレームレートを60fpsから2倍にし、内部レイテンシーは半分になります。

 

HDMI の改良

最大の要素の1つとしてHDMIケーブルがあります。 マイクロソフトはHDMIコンソーシアムの積極的なメンバーでもあり、チームは次のような多くの機能についてXbox Series XでサポートするためにHDMI 2.1標準規格の策定に取り組みました。

  • テレビへの伝送時間 HDMI 2.1は120 Hzで最大4kをサポートしているため、チームは解像度を犠牲にすることなくフレーム伝送時間を16.6msから8.3msに短縮できます。これは、それをサポートするテレビでの8.3ミリ秒の自動遅延改善であり、すべてのフレームレートでゲームにメリットをもたらします。
  • 可変リフレッシュレート(VRR)ゲームがフレームを失うと、VRRは可能な限り低いレイテンシで結果を表示します。VRRをサポートする1​​20 Hzのテレビは通常、非常に大きなタイミングウィンドウを備えているため、40 FPSを超えるパフォーマンスで画面が破損することはありません。
  • TV自動遅延モード XboxシリーズXは、対応するTVで自動低遅延モード(ALLM)を呼び出して、ゲームモードを自動的に有効にし、以前はゲーマーに必要だった作業を削除します。
  • 超高速HDMIケーブル同梱すべてのXboxシリーズXに超高速HDMIケーブルが付属しているため、HDMI 2.1互換ディスプレイを搭載している場合、プレーヤーは最高のゲーム体験を楽しむことができます。

HDMI規格自体に影響を与えることも1つですが、最高のゲーム体験を提供するために大手ディスプレイメーカーとも密接に取り組んでいます。 チームはXbox Series Xに間に合うようにテレビ側がこれらの機能をサポートする準備を進める必要があることを理解していました。

それを実現するために、Xbox One SとXbox One Xで一足早くこれらの機能を実装することにしました。 そのためXbox Series Xの発売後にテレビに機能が実装されるのを待つのではなく、2019年以降の多くのテレビでVRRやALLMなどの主要な機能が実装されています。

 

すべては1msでも早くするために

Xbox Series Xでの遅延への取り組み、いかがだったでしょうか。 一つ一つの機能はほんの僅かな遅延の軽減にしか過ぎなくとも、すべてが組み合わさった時にそれはかなりの違いが生まれることになります。

ゲーマーが非常に重要視している”応答性”の分野でも最高級の体験を提供することで、Xbox Series Xはこの分野において業界をリードする存在になりそうです。

 

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  • この記事を書いた人

のっそす(WPTeq運営)

WPTeqのメインライター兼管理人。 初めてパソコンを購入した際にWindows Meでトラブルに見舞われ、それ以降Windowsに関するさまざまな資料を読むようになる。 Zuneに惚れ込んで以来、Microsoft製品にハマる。 好きなピニャータはファッジホッグ。

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