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マイクロソフトがゲーム機としてのXboxに拘らない理由。

マイクロソフトのXboxは今後もゲーム機ビジネスを続けていく予定ですが、初代XboxやXbox 360の時代ほどゲーム機へのこだわりは見せていないのは明らかです。一体マイクロソフトはなぜゲーム機に拘らなくなったのでしょうか。

ゲーム業界の市場が変わった

20年前までは多くの人がゲームを遊ぶためにゲーム機を購入し、ゲームを楽しんでいました。しかし現在はスマートフォンが最も人気があり、その次にコンソール、そしてPCゲームとなっています。

マイクロソフトによれば、ゲームをプレイする世界のプレイヤー30億人のうち、ゲーム機で遊ぶプレイヤーは3億人しかいません。これはどれだけ市場が変化したかがよくわかる部分ではないかと思います。

マイクロソフトがこうした大きな市場であるスマートフォン市場やPC市場に興味を持っているのは自然なことです。実際アクティビジョンブリザードの買収の際、コンソールで人気がある”Call of Duty"の獲得よりも、スマートフォンゲームである”Candy Crush"を手に入れることが大事だと繰り返し言及していました。

ゲーム機より大きなゲームが登場した

数十年前まではゲームはゲーム機があってこそのものでした。ゲームをプレイするには当然のことながらゲーム機が必要があり、そのゲーム機を買ったプレイヤーが、対応したゲームを楽しむというスタイルでした。そのため、ゲーム機は非常に重要であり、ゲーム機の普及がゲーム業界での成功には不可欠でした。

しかし現在では必ずしもそうではありません。「Fortnite」や「Roblox」、「Minecraft」のようなゲームタイトルは既にプラットフォームのように機能しており、毎月のアクティブユーザーも8000万人、1億人を超えているものすらあります。ゲーム機全体のプレイヤー人口が3億人と言われているで、こういったゲームは既にゲームプラットフォームと同等、またはそれ以上の影響力があるといえるかもしれません。

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Xbox Oneのローンチが失敗した

特に大きな転換期となったのはもちろん「Xbox One」のローンチ失敗です。Xbox 360の成功を引き継ぐことが出来ず、多くのゲーマーがXboxから離れてしまいました。継続したサービスとコミュニティによりファンを継続することが一般的な現代においてこれは致命的なことです。

例えばプレイステーションを長く愛用しているユーザーは、ゲームのフレンドもプレイステーションを使っているため、今後もプレイステーションを使いたいと思うでしょう。新しいプラットフォームに切り替える場合、新しいフレンドを作る必要があり、購入したゲームやアカウントの情報も引き継ぐことが出来ないため移行は簡単ではないと考えられます。

しかしXbox OneではXbox 360の成功を引き継ぐことが出来なかったため、他社プラットフォームに移行したユーザーも少なくありません。これによりXboxはゲーム機ビジネスを再考する必要があったとフィルスペンサー氏も語っています。

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マイクロソフトも営利企業である

忘れてはなりませんが、マイクロソフトは営利企業であり慈善団体ではありません。大金を持った大企業というのは、それだけ収益をあげることにシビアであることも意味します。将来的に成功する見込みがない、効果が薄いと考えられる戦略よりもより大きな成功を目指して行動しています。

一人のXboxファンとしては、日本向けのコンテンツやPRの充実などを期待したいところですが、現実的にはそれはあまり投資に見合った収益に繋がると考えづらいというのは十分考えられることです。(Xbox 360の頃、日本に投資された潤沢な予算がどれほど効果的だったか考えると・・・)

ほぼすべての企業が収益を得るために行動しているというのは間違いないでしょう。(しかし個人的にはエンターテインメントは、収益やコストパフォーマンスだけではなく、人の心に届くものづくりも必要なように感じます。)

ゲーム業界での成功を狙ったマイクロソフト

Xbox目標はおそらく20年前から大きく変わっています。ゲーム機でトップシェアをとることではなく、ここ数年は「世界のゲーム人口の30億人にゲームを届けること」を目標に掲げています。

ゲーム機の人口はこのうち3億人しかいないとされているため、例えゲーム機でトップシェアになったとしても目標には届きません。そのため、PCやモバイル、他のゲーム機、そしてクラウドなどを通してゲーム機に縛られない形でゲームを提供しています。

長年のゲームファンとしてはコンソールの存在が小さくなったのは寂しい部分もあるかもしれませんが、Xboxの拡大や投資は間違いなく行われており、Xboxの野心的なビジョンは興味深いものです。今後も期待しましょう。

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