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「Xbox Entertainment Studios」構想は本当に失敗だったのか、Xbox One時代の”TV戦略”

皆さんはXbox Oneの発表時にアナウンスされた「Xbox Entertainment Studios」を覚えているでしょうか?Netflixなどの動画メディアがこれから流行ると予想していたXboxチームは、Xboxをゲームの世界から映像媒体へと活動領域を広げるため、新たなスタジオ「Xbox Entertainment Studios」を中心とした「TV戦略」を計画していました。

より多くを狙ったXboxの戦略

2012年に設立されたXbox Entertainment Studiosは、テレビ・映画の制作スタジオで、Xbox Live内の映像コンテンツの拡充を目指して設立されました。その後2014年7月に閉鎖され、映像制作に集まっていた1万8000人の従業員が解雇されました。

閉鎖理由は不明ですが、Xbox Oneの”TV戦略”が大きく批判されたことが大きく影響していると思われます。

Xbox Entertainment Studiosが世に出した作品としてはドキュメンタリー映画「Atari: Game Over」、サッカードキュメンタリー「Every Street United」、そしてドラマ「Halo: Nightfall」などがあります。

惜しまれた制作中止作品

制作中止作品としては大人向けのダークなアニメ「Conker's Big Break」、フェイブル、Gears of WarなどのXbox作品を題材とした映像作品が計画されていたことが明らかになっていました。

戦略を変更したXbox

Netflixのような映像ライブラリーをそろえたXbox Live、オールインワンエンターテイメントの”Xbox One"をコンセプトにしていた2013年のXboxですが、発表時の「TV」や「Kinect」が批判されこれらのコンセプトを撤廃し、ゲームを重視したXboxへと変化していきました。

その中でNetflixのようなライブラリーを揃えるというコンセプトは変化し、ゲームのNetflix、Xbox Game Passのサービスを提供しています。

成功するXbox作品の映像化

Xbox Entertainment Studios時代から制作が発表されていたスティーブンスピルバーグによるテレビシリーズ「ヘイロー」ですが、Pramount+(U-NEXT)の「ヘイロー」テレビシリーズとして生まれ変わりました。本作ではエグゼクティブプロデューサーとしてスティーブンスピルバーグが参加しています。

また最近では傘下のBethesda Softworksのゲームタイトルを原作とした「Fallout」がPrime Videoでテレビシリーズ化し非常に高い評価となっています。

2025年には「マインクラフト」の実写映画が公開予定となるなど、様々なゲームの映像化が予定されています。

”TV戦略”は間違いだったのか、順番を間違えただけで大きな失敗に

XboxのTV戦略は失敗に終わりました。しかしXbox Oneが掲げていたコンセプトの1つ、「TV戦略」は当時のゲーマーには受け入れられなかったものの、Apple TV+などの競合他社の映像サービスよりも先に映像制作に本気で投資していたのは必ずしも悪い戦略ではなかったように思えます。

実際に現在展開されている「Halo」や「Fallout」は批評家からの評判も悪くありません。

Xbox Oneは発表時にあまりにもテレビ戦略やKinectを大々的にプッシュしたせいでゲーマーから受け入れられませんでした。

しかしXbox Oneがしっかりと初めからゲーマー向けのコンテンツを提示し、その上でKinectやTVなどのコンテンツを提供出来ていたならきっと今とは状況は大きく変わっていたでしょう。

筆者はXboxの当時のコンセプトも非常に気に入っていたため、失敗してしまったのは残念ですが、Xboxのコンテンツの映像化が少しずつ行われているのは非常に嬉しい状態ではあります。今後もう一度Xbox Entertainment Studiosのような映像会社が生まれるとは考えづらいですが、こういった方面でのXbox IPの活用も今後も期待していきたいですね。

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