ゲーム機の進化はグラフィックスだけではありません。 Xboxは常にサウンドに力を入れているゲームハードでした。 Xbox Oneではいち早く空間オーディオに対応しており、ゲーム機初となるDolby Atmosのサポートや独自の空間オーディオテクノロジーWindows Sonicをサポートしています。
マイクロソフトは次世代ゲーム機Project Scarlettでもオーディオ機能の改良に取り組んでいるようです。
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レイトレーシングとは?
次世代ゲーム機の鍵になる機能の1つに「レイトレーシング」があります。
これは従来は疑似的に行っていた光の処理を、現実と同じようにリアルタイムで計算するというものです。 この技術自体はかなり歴史のある技術ですが、映画のように長い時間をかけてレンダリングできる映像とは異なり、ゲーム機でリアルタイムに行うというのが次世代ゲーム機の新しさとなります。
これにより従来のゲームでは実現できなかったようなリアルな光や影が表現できるようになります。
ゲーミングPCの世界では他社に先駆けてNVIDIAがすでに実現し、いくつかの対応ゲームもリリースされています。
レイトレーシングをサウンドへ
レイトレーシングはグラフィックスだけにとどまりません。 レイトレーシングで行っている素材による光の反射や距離などの計算をサウンドに活用すると、部屋の大きさや素材、周りの家具などによって音の聞こえ方が変わるということが実現できるようになります。
物を置いていない引っ越ししたばかりの部屋は音が響きますし、ものがあると音が響かなくなりますよね? 今後のゲームでは木材の扉は音を吸収したり、壁越しに会話を聞くと声が籠ってきこえるというようになるかもしれません。
VRやARのテクノロジーでは、本物と錯覚させるために空間オーディオが非常に重要な技術であるとして注目されています。 これと同様にeSportsなどの競技性のあるゲームでも敵の動きを把握するのに音は活用されています。
オーディオテクノロジーに力を入れることはゲームにとっても非常に重要な要素の1つです。
求人に垣間見える取り組み
"utilizing DXR to transfer the core portions of sound baking systems from cloud servers to local computers"
"implemented a hybrid CPU / GPU ray scheduler"🤫🤫😱
— blue nugroho (@blueisviolet) November 18, 2019
マイクロソフトは次世代Xbox「Project Scarlett」でレイトレーシングに取り組んでいることは明らかですが、レイトレーシングをサウンドに活用するテクノロジーの研究も行っているようです。
求人情報を見ると「DirectX Raytracing(DXR)をサウンドに活用する方法の調査」「サウンドベーキングシステムのコア部分をクラウドサーバーからローカルコンピュータに転送するためのDXRの活用」についてが書かれており、Project Scarlettやマイクロソフトの今後のファーストパーティゲームでのサウンド改善が期待されます。
Gears of War 4でも取り組んでいた画期的なサウンドテクノロジー
マイクロソフトの研究部門Microsoft Researchが研究していたオーディオテクノロジーはGears of War 4にも採用されていました。
これは、建物の大きさや素材を設定することで、プレイヤーの位置によって音の聞こえ方が変わるというものです。 おそらくレイトレーシングを活用することで、これの開発をより容易にするものと思われます。
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