皆さんは「海賊になりたい」と思ったことはないだろうか。
海で仲間たちと共に社会のルールに縛られず自分たちのルールで暮らすカリブの海賊たちは、決まりだらけの現代に生きる我々も一度は憧れを抱いたことがきっとあるはずだ。
そんな海賊たちの生活を疑似体験できるゲームタイトル「Sea of Thieves」が発売されたので数時間プレイしてのプレイレビューを書いていきたいと思う。
Sea of Thievesを筆者が初めてプレイしたのは、ちょうど1年ほど前に開発元がゲームをプレイしたユーザーのための意見を取り入れるために実施した”Insider Technical alpha"だ。
バトルトードをプレイして育ち、友人と深夜遅くまでパーフェクトダークをプレイし、今でも年に何度かはバンジョーとカズーイの大冒険の世界を散歩するほどこの開発会社に魅せられた筆者にとって本作Sea of Thievesは期待するしかなかった。 なんと言っても待望の”新作ゲームタイトル”なのだ。 Kinect Sportsシリーズが駄目だったわけでは決してないが、やはりコントローラーで遊ぶゲームもそろそろ恋しくなってきていたのは間違いない。
そんなSea of Thievesだがアルファテスト、ベータテストでInsiderからの意見を取り入れようやく発売された。
協力プレイをテーマにしたアクションアドベンチャー
本作は”海賊としてやってみたかったこと”を体験しながらコミュニケーションをとるアクションアドベンチャーゲームだ。
画面の雰囲気からファーストパーソンシューティング要素や、ハック&スラッシュ要素を期待される方もいるかもしれないがこういった要素はほとんどない。
どちらかと言えば「とうぶつの森」や「マインクラフト」のマルチプレイに近い雰囲気をイメージしていただきたい。
本作では何をするにも協力することが鍵になる。
例えば船を操縦するのも、舵をとっている人だけでは船は動かせない。
帆を適切に動かし速度をコントロールし、マップで方向を確認、あたりに不審なものはないか確認するなど様々な役割が与えられている。
船を停止させるアンカー(碇)はワンボタンですぐに下ろすことができるが、再び動かすには時間がかかる。 ここでもチームで協力して動かす必要がある。
本作の海は広大で島と島での移動もある程度時間がかかることがあるので、船で雑談などをしながら楽しむという部分が本作の主な部分になるかもしれない。
実際ゲームでも陸地や建物は簡素な印象を持つが、海と空の表現はかつて経験したことがないほど素晴らしく、リアルタイムに息をするように変化する世界は塩の匂いすら感じた気がするレベルで作り込んである。
ちなみに本作は1人プレイも可能だがあまりおすすめはしない。 というのも1人で遊ぶには退屈なシーンが多すぎるからだ。 宝探しにしても、海での移動にしても基本的に何かが起こる”瞬間”というのはそれほど多く設定されていない。 なので本作を遊ぶ場合、2人以上またはオンラインマッチングでのプレイを推奨する。
ゲームの主な目的は”依頼をこなすこと”
ゲームでプレイする主な目的となる”依頼”大きく分けて3つ用意されている。
一つは海賊と言えば誰もがイメージする宝探しだ。 宝探しのクエストでは地図を渡されそこにあるお宝を持ち帰るというのが基本となる。 一部の地図はテキストで表記されており、「北東の骨から南西に10歩歩いたところだ」のような簡単な英文で表記されている。 少し癖がある内容ではあるが、その分見つけられた時の喜びも大きい。
二つ目の依頼は賞金首を倒すというものだ。 とはいえ本作の賞金首はかつて悪党だったスケルトンたちの頭を回収し持ち帰るというものだ。 このミッションは単調になりがちだがテンポ良く進めていくことができ、敵の量も1人ではこなすのが難しいが複数人で挑めばクリアできるという程よいバランスなので積極的にプレイしたい。
三つ目は配達で、対象となった動物を捕まえ、指定の前哨基地に届けるというもの。 動物は島によって異なる動物が生息しているため、場合によっては複数の島を回りながら捕まえていくことになる。 もっとも単純な依頼なので、ゲームが苦手な方や子供向けの依頼なようにも思える。
数回プレイして思ったのは、3つのミッションはどれか続けて遊ぶのではなく、いろいろなミッションを混ぜ合わせながらプレイした方が飽きづらくて楽しいかもしれない。(ただしOutpostが目的地の配達は回数が少ない方がいいかもしれない)
依頼をこなすと報酬がもらえる。 報酬はゲーム内の衣装や武器、船のスキンを購入することができる。 また依頼をこなしていくと”肩書き”も変更できるようになり、人目で海賊のランクがわかるようになる。
海賊同士での争い
本作の魅力の1つは本作がShared-Worldという形式を採用していることだ。 ゲームプレイ中基本的には4人プレイなのだが、広い海でばったりと他のプレイヤーの海賊団に会うことがある。
基本的に海賊というのは好戦的な連中ばかりなので、多くの場合戦うことになってしまう。
砲台や手持ちの武器を使った戦闘になるわけだが、海賊たちに出会うのは前項目で記したような依頼の最中に出会うので、船の中には財宝があることも少なくない。 そのため船を沈められると換金することができず、事実上ゲームオーバー(リスポーン)してしまう。 なので自分たちの宝を守りながら、相手を沈め、運が良ければ相手の宝を根こそぎかっ攫うことが可能なのだ。
船を沈めても生存し海に浮いてきた相手プレイヤーをこの手で仕留める瞬間は、まさに海賊気分を味わえる本作ならではの醍醐味だろう。
言語の壁は大きいが、乗り越えられなくはない
本作は”英語”がサポートされているが、現状日本語を含むアジア圏の言語はサポートされていない。
本サイトでもアルファ版をプレイした感触から”英語力はそれほど必要ない”と書いたが、実際に製品版をプレイするといくつか問題が感じられるシーンがあった。
日本人のフレンドと遊ぶ場合、この問題はほとんどない。 例えば宝の謎解きの英文が読めなくても翻訳アプリをゲーム画面に当てて写真を撮れば大抵解決するし、数時間プレイすればゲームの内容やパターンは把握できるだろう。 しかし問題は外国人とプレイするオンラインマッチメイキングだ。 ボイスチャットを使わなくとも”パイレーツチャット”と呼ばれる選択式のテキストチャットでコミュニケーションはとることができるが、オンラインマッチメイキングではほとんどのプレイヤーがボイスチャットを使っている。 こちらが英語を話せず、うまく伝えられない以上にマッチングで遊ぶ外国人にはこちらがボイスチャットを使わないことに苛立つプレイヤーも少なくないのだ。
大抵の場合、Xbox Liveのメッセージ(またはWindows10版ならテキストチャット)で英語が話せないことを伝えると穏便に対応してくれることが多いがこのあたりのコミュニケーション能力はある程度求められる。
とはいえSea of Thievesを通して外国人のフレンドも数名できたので言葉の壁はあるが一つの目標に向かってプレイすることで生まれる絆は何者にも変えられない者だろう。
物足りなさはあるが、”楽しい”と感じる
もしもこのゲームにキャラクターのレベルがあり、探検でレアな武器や装備を調えていくタイプのゲームだったら・・・と考えてしまう瞬間はプレイ中何度もあったが、あえてそうしないことでコミュニケーションに特化させた大胆なゲームデザインは他では見たことがない貴重な体験を提供してくれる。(実際Insiderではこの手の要望は少なくなかったはず) 理想的なゲームとは程遠い作品かもしれないがこれは決して悪い意味ではなく、ベテランの海賊も、新米の海賊も、みんなできることは同じなのだ。 プレイヤーは何度も海賊業を行いながら様々な出会いと別れを経験し海の思い出を造っていく。 そんなロマンあふれる体験をさせてくれるゲームを、私は遊び続けずにはいられない。
攻略情報について
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