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マイクロソフトは何故Xbox専用ゲームをパソコンで遊べるようにしたのか。

 

マイクロソフトは昨年、「Xbox Play Anywhere」というサービスを発表しました。

これは一度購入すればXbox Oneでも、Windows10でもどちらでもゲームが遊べるというサービスです。

つまりパソコンを持っていればXboxを買わなくてもXboxの独占ゲームタイトルが遊べてしまうという一見とんでもないサービスですが、何故マイクロソフトはこんなサービスを始めたのでしょうか。

 

 

Xbox Play Anywhereとは?

まずXbox Play Anywhereの機能についておさらいしましょう。

Xbox Play Anywhereはマイクロソフトストアのダウンロード版を購入すると、Xbox OneとWindows10どちらでもゲームの購入情報を共有し追加料金なしでどちらのプラットフォームでも遊べるという画期的なサービス。

セーブデータや実績、ゲームのプレイ状況はクラウドで自動で引き継がれるので異なる環境でも同じようにプレイすることが出来ます。

 

さらに一部対応タイトルではXbox OneとWindows10でクロスプラットフォームプレイを行い、一緒にオンラインプレイを楽しむことも出来ます。

 

コンソールをなくす理由がないワケ

一部では「Xbox Oneがあまりにも売れていないから、ゲーム機はやめてPCにするのでは?」という声も上がっているこのサービスですがMSの説明を読み解けば、どちらかといえばコンシューマ向けPCのためのものと考えられます。

 

ゲームコンソールにおけるXbox

IHSマーケットのデータではゲームの市場としてはマイクロソフトはソニーの半分、任天堂の倍程度の規模のプラットフォームであるとされています。

日本にいる我々としてはあまりピンと来ませんが、大ヒットしているPS4の半分という数は消して少ない数であるとは言えません。

 

また、Xboxの収益化方法は他のゲームプラットフォームとは少し異なる特徴もあり、他社とも単純に比較出来ません。

一般的にプラットフォームホルダーが開発しているタイトルはシングルプレイタイトルが多いですがXboxに関してはマルチプレイ重視のタイトルが多いです。

これはHalo、Gears of War、Forzaといった人気作品すべてがマルチプレイに重点を置いていることからも明らかでしょう。

またゲーム内のマイクロトランザクションなどでの収益化、長期運営型のゲームタイトルが多いためゲーム1本辺りの収益も高い物と思われます。

 

マイクロソフトにおけるXbox

2016年のデータではマイクロソフトにとってXbox事業は、Windows OS事業よりも大きな収益を得ている3番目に大きな事業です。

BingやSurfaceよりも大きなこの事業をわざわざ自ら捨てる必要はないでしょう。

 

また単純な売上だけではなく、マイクロソフトにとってXboxはコンシューマ向けのブランドの象徴でもあります。

Xboxユーザーは一般的に他のゲームハードユーザーよりもWindowsやマイクロソフトの製品やサービスを好む傾向にあり、単にXboxの売上だけではなくMSのコンシューマ事業を支える基盤となっているといえるかもしれません。

 

それでは何故マイクロソフトはXboxの独占タイトルをわざわざWindowsパソコンでプレイ出来るようにしたのでしょうか。

 

実は”逆”もやってる

Xboxの一部ゲームがWindowsで遊べるようになったということは大きな話題を集めましたが、実はWindowsの一部アプリもXboxで動くようになっています。

これはXbox上からマイクロソフトストア(旧Windowsストア)にアクセスし、UWPアプリケーションをダウンロードすることが出来るという物です。

SpotifyやNetflixといった他社のプラットフォームであるものだけでなく、一般開発者のアプリもたくさん配信されておりアプリの数は既に数百を超えています。

 

Xbox One本体の開発者モードを有効にすれば、Visual Studioと連携してアプリを動かすことまで出来てしまいます。

 

答えは家庭用PCの売上低下

原因は家庭用パソコンの売上低下にあります。

昔はインターネットを見るにはパソコンが必要だったこともあり多くの家庭にパソコンがありましたが、現在では殆どがスマートフォンで済んでしまうためわざわざ大きなパソコンを使う人は激減しています。

2016年のデータでは4年で1億台以上年間売上が下がっているというのですから、パソコンの基本ソフトであるWindowsを販売するマイクロソフトにとっても大きな痛手です。

そこで家庭用のパソコンを売るためにマイクロソフトが考えたのが「ゲーミングPC」として売るということです。

 

 

Windows10公式でもゲーム押し

Windows10の公式ホームページ「Windows10を選ぶ理由」のページにも4番目の項目に「今までで一番ゲームが楽しいWindows」という項目があり、マイクロソフトがゲームを押しているのは明白です。

この項目ではゲーミングPC+Windows10ならではのゲーム体験が書かれており、Native 4K、DirectX12、ゲーム配信機能など魅力的な体験が出来ることが書かれており他、もちろんXbox Play AnywhereでのXbox Oneとの連携も書かれています。

 

ゲーミングPC市場は急成長

家庭用PC市場の低迷は続いていますが、ゲーミングPCに関しては逆に出荷を伸ばしています。

Xbox Play Anywhere、Steamゲーム、VRなど最新のゲーム体験が出来るゲーミングPCを中心として今後も家庭用パソコンを生き残らせたいと考えているのかも知れません。

 

 

スマホに出来ないことが出来る場所に

マイクロソフトは2017年の大型アップデート「Windows10 Creator's update」「Windows10 Fall Creator's update」でクリエーター向け、創作機能の強化やゲーム機能の強化を行いました。 

タッチ操作では難しいコアなゲームやコンテンツ制作といったスマホの苦手分野をパソコンで伸ばすことで、売上回復を狙っています。 スマートフォンでも簡単に写真が編集できるアプリはたくさんありますが、映像制作やイラストの作成、音楽制作、コンピュータグラフィックスといった高度なものはまだまだコンピュータの方が有利です。映像制作やイラストを作るのにも高性能なGPUが合った方が快適ということもあり、ゲーミングPCは今後ますます注目されるかも知れませんね。

 

ソース:

https://technology.ihs.com/590493/sony-dominates-2016-console-market-with-57-share-of-world-market-value

https://damonge.com/p=19830

https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/devices

 

 

 

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