スマートフォンの普及により小型PCは見かけなくなりましたが中国のゲーミングデバイスを手がけるメーカーから新たに登場したGPD WINが世界各地(主に日本)で話題となっています。
今回GEARBEST様よりサンプル品を頂きましたのでレビューさせて頂きたいと思います。
今回レビューする機種
GPD WIN Z7700モデル(後期生産?のいわゆるGPD WIN改と言われているモノです)
ややずっしりとした重量、ほぼ3DS LLと同じサイズ。
他のサイトでも散々言われているがGPD WINは厚さは少し分厚いものの3DS LLとほぼ同じサイズだ。
キーボードなどが付いている下側が冷却ファンがついていることもありやや厚めの設計になっているがフルWindows10マシンと考えればかなり小さい。
重量は3DSLLが336g、New 3DS LLが329gに比べてやや重い369.5g(4gamer調べ)とのこと。
数gしか差がないが実際に手に取ってみると意外とずっしりとした重さだ。
すべてが詰まったフルスペック
まずはスペック周りから見ていこう。
CPUはATOM系上位クラスの Atom x7-Z8700を搭載。(注意:02/20現在上位版がGEARBESTで予約受付中) ATOMというと低スペックな印象があるがこれはSurface 3にも採用されていたなかなか優秀なCPUが使われている。
RAMは LPDDR3 4GB、ストレージは64GB、パネルは5.5インチ720pのマルチタッチIPSディスプレイを採用。
無線LANは最大11acまでサポート、またBluetooth 4.1にも対応している。バッテリーは6700mAhで最大6時間程度動作する。
マイクは搭載されているがカメラは搭載されていない。
外部インターフェイスはUSB3.0 1ポート、USB type-C1ポート、HDMI Mini1ポート、MicroSD 1ポート、3.5mmイヤホンジャックが1つ付いている。
小さな画面だけど意外と使いやすいWindows10
フルバージョンのWindows10タブレットでよく言われるのがボタンが押しにくいということだ
Windows10は元々PC、マウス操作をメインとしていたOSなのでアプリによってはタッチ操作がしづらく、また画面が小さな7インチや8インチの機種では特に使いづらいといわれがちな部分があった。
今回のGPD WINはさらに小さい5.5インチということもあり使ってみるまでどんな風に見えるのか、操作できるのか実際に体験するまでは分からなかったがなかなか好印象な操作性だった。
というのもGPD WINには「マウスモード」と呼ばれる機能が付いており、ゲームパッドのスティックを使ってマウス操作をすることが出来るからだ。
なのでまさにゲーム機感覚でWindows10が使えるというのは思ったより使い勝手が良い。
また液晶も一応タッチパネルなのでWindowsストアでダウンロードしたタッチ操作のゲームを遊ぶのにも十分使えるだろう。
キーボードは癖があるが使えなくはない
この機種ではキーボードがついており、文字入力も物理ボタンで入力できる。
配列は英字仕様でやや左に寄ったキーボード配置のため文字入力には慣れが必要だ。
私の場合通常のゲームパッドのように親指を左右から握るのではなく下から親指が出るように握って文字入力をするようにしている。
こうすることで少しでも左右の幅の差違を縮める事が出来入力の安定性が向上した。
スティックは精密操作には向かないが十字キーやボタンは良好
この機種の最大の特徴ともいえるのが「ゲームパッド」がついていること。 基本的には「XboxOneワイヤレスコントローラ」のものを準拠しており、ABXY、L1、L2、L3、R1、R2、R3ボタンが搭載されている。
またXbox Oneとのストリーミングプレイに便利な「Xboxガイドボタン」まで備えているためXboxOneに接続しても全てのボタンが問題なく操作できる。
一方スティック操作は高さが明らかにXboxコントローラに比べて低いこともあり精密な操作には向かない。 これはモバイル用なので仕方ない部分もあるがFPSやTPSなど精密なスティック操作が要求されるゲームを遊びたい場合なかなかストレスになる可能性もある。
とはいえ十字キーや各種ボタンは予想以上に完成度が高く、クラシカルなゲームやMMORPG、インディーゲームをプレイするには十分すぎる性能を備えている。
↑XboxOneエリートコントローラの通常の高さのスティックとGPD WINのスティックの比較。
Xboxストリーミングプレイも完全対応
上記の通りXboxガイドボタンを含む全てのXboxOneのボタンを備えているためXboxストリーミングプレイにも最適な端末といえるだろう。
Windows10内蔵アプリの「Xbox App」から接続しているLANのXboxを選び、接続中に「Xinputモード」に切り替えればすぐに利用できる。
本体は11acまでのWi-Fiがサポートされていることもあり、映像の遅延も大きくは感じなかった。
GPD WINで本格的なゲームプレイを遊ぶならXbox Oneとの接続はマストな選択かも知れない。
ゲームPCとしてのパフォーマンスは?
軽めの3Dタイトルなら設定次第で十分に動く性能を備えている。
動くタイトルといえば「ドラゴンクエストX」「HALO2」「オーバーウォッチ」「Skyrim」「ウルトラストリートファイターⅣ」あたりは快適に動作する。
設定次第では「PSO2」や「GTA4」もそこそこ遊べるようだ。また「フェイブルアニバーサリー」は遊べなくはないが常時15fps程度とかなり低めのフレームレートとなった。
逆に3Dをフル活用したタイトル、例えば「Gigantic」は起動すらしないし「ハッピーウォーズ」や「キラーインスティンクト」は起動するもののフレームレートが酷く低かった。
エミュレータとしてはPS2/ゲームキューブ/Wiiの軽めのタイトルなら動作するらしく「スマッシュブラザーズX」「キングダムハーツ」「カービィのエアライド」「マリオカートダブルダッシュ」あたりはほぼ実機レベルで動作する。
逆に「F-ZERO GX」など動作が重いタイトルはまともにパフォーマンスが出ない。
操作はDirect Input、Xinput共に対応しているので各種エミュレータやゲームタイトルでも簡単に設定することが可能だ。
もし特定のゲームのパフォーマンスが調べたいならYoutubeで「GPD WIN ○○(ゲームタイトル)」と検索するとプレイ動画が見つかることが多い。
総評:マニアックな機種だがWindows10搭載に価値を見いだせるならあり
スマホレベルのサイズのディスプレイを搭載したモバイルデバイスでフルWindowsというかなり特殊な端末だがこれに価値を見いだせるなら買ってみても損はないくらいの出来にはなっている。
マウスデバイスとしてのゲームパッドも優秀なのでゲーム用途ではなく純粋にWindowsを使いたい人にとってもいいデバイスだろう。
その反面もしゲーム専用で考えているならAndroidを搭載したGPD XDなどの端末の方が向いている可能性もある。 遊びたいゲームラインナップによって決めると良いかもしれない。
→GearbestでGPD WIN Z8750版(ハイスペック版)を見る
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